宝箱をあけるよう

いいうたがこの世には

いっぱいある。

くちずさみたいうたや

ずっとヘッドフォンをして聴いてたいうたや

きみが歌ってくれたうた

こどものころすきだったうた

あの夏をおもいだすうた

いま聞いてるのはあのひとのうた

 

2002年春、

いいうたがこの世に、ほんとうに”星のかずほど”あると知ったとき

ひとりで勝手に絶望してしまった。

大学の最上階にのぼって

眼下に見えるビルディングから出てくる、こめつぶのようにちいさな人々を見て、

ビルの山並みと青空との隙間には

いったいなにがあるんだろうと考えた。

絶望的な気持ちだった。

わたしが生きていっても

もう、うたは歌い尽くされていて、やることはすべて終わっていて

ビルと青空の隙間はどこまでも広くて果てがなかった。

 

 

この前、松本のGive me little moreでライブをさせてもらったあと

metoba traficの原さんと、ゆーきゃんさんと、お酒を飲んでいて

ひょんなことからその話をしたのだった。

 

未熟な精神の過去の話と思いつつ(今も大して大人になってないけど)も

あのころのじぶんに、なんだか反省しながら話を終えたら

二人揃って、うんうん、うんうんと深くうなづいていて

どういう気持ちで、うんうん、とうなづいてくれたか、実はその真意は不明だけれど

その時、私のその、東京での記憶は

”思い出らしい思い出”に変わったのでした。

 

 

わたしたちはたくさんのうたと生きている

 

 

あたらしく、素敵なうたに出逢うことは

宝箱をあけるときのよう

そう思います、最近。

 

 

ようし、日付も変わったので家に帰ろう。

さっき見上げたら、雨上がりの群青の空に

ぱっくりとした半月が光っていた。

 

 

いま聞いてるのはあのひとのうた

帰り道はなにをくちずさんで帰ろうかな

 

 

 

 

 

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